有限会社ストレングスカード・コム (旧(有)キャリア開発研究所)

家庭・教育現場・企業などにおける人のコミュニケーション改善に役立つツールの販売、研修会・講演会の実施

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ストレングスカード開発秘話

私は自分のペースを大切にします。(キッズ27)

キッズ27じぶんのペース

これは24でご紹介した「私は周りに合わせて行動します」とは、ちょうど反対の概念となると思います。少し残念なことに子育て相談の場面では、子どもの良いところを表す言葉として、同等には扱われていないようです。「周りに合わせる」ほうが圧倒的に支持されているようで、「自分のペースを大切」はしかたなく子どもの特徴を受け入れている親御さんが多いように感じます。


最近ではスマホも小中学生に普及し、ラインを使った交流が当たり前のようになっています。ラインのグループをクラスメートが作っていると知り、「自分もそれに加わり友達と交流しよう」と思うのが「周囲に合わせる」です。一方、世間やクラスメートの流行であるラインには加わらず、自分のニーズに合わせた交流方法を選んでいくのが「自分のペース」となります。前者はスマホやラインによる恩恵を受けますが、そのことによるトラブルも経験する可能性が高くなります。一方後者は必要な交流は最低限維持した上で、トラブルや弊害の可能性も低くすることができます。

忘れてはならないことは、自分にとってより大切なことは何かということだと思います。これは残念ながら親や先生には選ぶことができません。本人が自分で納得して決めていく必要があります。どちらも人のストレングスであり、時と場合により、使い分けしていくことが大切なのではないでしょうか。

2018年09月11日 15:37

私は思ったことをやり通します。(キッズ26)

キッズ26やりとおす

小さい子どもにとって、補助輪なしの自転車に乗れるようになることは、一つのステータスのようです。私の二人の子どもは全く異なるアプローチで補助輪とりに挑戦しました。長男の方は、ある1日、その日絶対に補助輪を取ると決めて練習しました。夏でしたが、乗れるようになったのは日没後だったことを覚えています。長女の方は、「そのうち取れるようになる」と、気が向いた時に少しずつ練習していました。ずいぶん時間がかかりましたが、自分でも気が付かないうちに乗れるようになっているような様子でした。

どちらも思ったことをやり通したわけですが、どちらかというと長男のやり方の方が付き合っている親にとってはこだわりの強いやり方だったと思います。たからといって長女の方が心配ではなかったかというと全くのそのようなことはなく、逆に「いつになったら乗れるようになるんだ!」とイライラしたように覚えています。


私と同じように子どもの「思い」に付き合わされている親御さんも多いのではないでしょうか。子供にとってはどんな小さいことでも自分の思いを通し、努力し、工夫し、それが叶うという経験は自信につながります。親としても一つ一つの経験を大切にしていきたいと思います。


ところで、保育園児の「怒った気持ち」のエピソードの中に、「補助輪を外す練習をしていたら、支えてくれていたはずのおとうさんが知らないうちに手を放していた。すごく怒った。」というのがありました。おとうさんの気持ちすごくわかりますから、許してあげてくださいね。

2018年09月11日 15:36

私は計画的に行動します。(キッズ25)

キッズ25計画的

子どもが自分を客観的に見て、少し先のことを考えながら行動計画を立てるということは、幼児や小学校低学年のうちはなかなか難しいことだと思います。それでも少しずつ小さい時から習慣づけることで、だんだんとできるようになってくるようです。

キッズカードでは、夏休みなどの長い休みの時に、宿題を計画的に少しずつ進める様子をイメージして絵にしました。夏休み中の旅行や習い事の予定をカレンダーに書きこんだり、その様子から宿題の予定を決める、そしてそのスケジュールを見ながら実際に宿題を進めるということが、少しわかってくれればよいと思います。
 

発達の遅れがあるお子さんの中には、スケジュールが決まっていないと何をしたらよいかわからなくなってしまう方もいます。そのような方はまず、スケジュール通りに行動できることはとても素晴らしいストレングスであるということをお伝えしたくてこのカードをつくりました。

2018年09月11日 15:36

私は周りに合わせて行動します。(キッズ24)

キッズ24まわり

日本の社会では周りに合わせて行動する姿勢が特に重視されています。周りに合わせて行動することで、集団生活の基本的なマナーやルールを自然に身に着けていくことができるからでしょう。そして周囲の人々と協調しながら生活していくことが可能となります。日本社会ばかりでなく、諸外国でも同じです。このカードはオリジナルのオーストラリア版にもありました。
 

周りに合わせるということばかりを強調すると、子ども一人ひとりの気持ちややりたいこと、個性が二の次になってしまうのではないかと心配する人も多いかもしれません。しかしこれは両方大切で、個性も重視するけれど、周囲に合わせていくことも大事なのです。

ストレングスカードキッズでは、自然の中でルールを守りながら遠足する子どもたちの様子を描きました。子ども自身の安全を保つうえでも、自然を守るうえでも集団のルールに合わせて行動することが大切であるということを伝えたいと思います。

2018年09月11日 15:36

私は全力で取り組みます。(キッズ23)

キッズ23全力

全力を出すという言葉よりも、「頑張る」という言葉のほうが一般的によく使われています。しかし心理支援の世界では、人一倍頑張っている人が、その頑張りが効かなくなるから支援が必要になるといわれることも多く、頑張りすぎることのどちらかというと否定的な意味が強調されてしまっています。心理士は「頑張って」という声掛けはしないのです。

そこでできるだけ頑張るという言葉を使わないで、カードを作りたいという思いがあり、「全力で取り組む」という言葉にしました。小さい子どもには聞いたことがあまりない難しい言葉かもしれませんが、自分の意志で精一杯力を尽くすということを伝えたいと思っています


私が実践をしている保育園ではストレングスカードキッズを使って卒園生一人一人の良いところを探し、カードに書いてある言葉で相手の卒園生に伝えるという時間があります。まだ字が読めない子どもも多いので「(書いてある言葉が読めなくてもよく)絵を見て選んで、自分で言葉を作ってもよい。」ということにしています。そのような中で一人の男の子がこの「全力で取り組む」カードを選び、「ころんでもさいごまではしります。」と言葉を添えて、一人の卒園生にプレゼントしていました。きっとこの卒園生は運動会で、ころんでしまったけれど最後まで走ったことがあったんですね。とても素敵なプレゼントでした。

2018年09月11日 15:36

私はしあわせです。(キッズ22)

キッズ22しあわせ

幸せという言葉もよく聞きますが、説明が難しくどのような場面にするかずいぶん考えました。キッズカードでは日本人が大好きであろう温泉の様子にしました。「

温泉」と言ってしまうと、旅行などの特別な場面かもしれませんが、毎日のように入るお風呂ならよりイメージしやすいかもしれませせんね。入浴すことでその日一日の汚れや疲れを癒しホッとすることができます。普段は忙しくて十分に触れ合うことができない親子でも、一緒にお風呂にはいることで安心した気持ちになり、自然に一日の出来事を話したり気持ちを伝えたりすることができます。

幼い子どものいるご家庭では、お父さんとお風呂にはいることを習慣にしているところも多く、お父さんと子どもの大切なコミュニケーションの機会となっています。最近では24時間いつでもお風呂にはいれるようになり、家族の入浴時間がばらばらになっているご家庭も多いのではないかと思いますが、家族がみんなでホッとする時間を共有できるよう大切にしていきたいですね。

2018年09月11日 15:36

私は公平です。(キッズ21)

キッズ21公平

公平ということを小さい子供に教えるのは大切なことですが、とても大変なことでもあります。「半分ずつに分けようね。」「みんなで同じにしよう。」などと説明します。
 

保育園では1年に1回、お菓子を自分たちだけで分けるという活動をしています。数も内容もばらばらなお菓子の山を用意して、そのグループの子どもたちがみんなよいと思う方法で分けるというのが課題です。お菓子の山を作ったとたんに自分の一番食べたいお菓子を手に取る子、どんどん同じお菓子から分け与え始める子、誰かがやってくれるだろうと見ているだけの子など様々です。こちらとしては話し合いをしてほしいのに、最初から話し合いから入ることはありません。それぞれが思いつきの行動をし、その結果をみたうえで、これではお菓子がわけられないと気づき、やっと話し合いに入ります。

大人目線で考えると、じゃんけんというのが妥当ではないかと思いますが、そうではない方法がたくさんでてきてとても楽しいです。一つずつお菓子を取り出して「これがほしい人!」と呼びかけてもらう人を決める方法、ひとまず好きなものをどんどんとってあとから公平かどうか考える方法、同じお菓子はひとまず分けて数が半端になったお菓子は先生にくれるという方法、中身が見えない大きな袋に全部のお菓子を入れて手探りで1つずつ取る方法など、毎年どんな分け方が編み出されるか楽しみにしています。苦労して公平を考え、何度もやり直しながら分けっこをすればするほど、終わった時の満足感は高いようで、「公平になったかな?」と聞くと「は~い」と満面の笑顔で返事をしてくれます。
 

子育て相談の中では、自分の複数の子どもたちをどのように公平にするかに悩む親御さんはとても多いです。一人一人の子どもから発せられる親に対する欲求はそれぞれ異なり、どうしても世話の内容や、その子にかける時間に差が出てしまいます。そのような場合はぜひ子どもの目にわかりやすいところで、公平にしてあげていただきたいと思います。ジュースをコップに注ぐときに、お兄ちゃんも弟も同じ量になるように注ぐようにします。お兄ちゃんだから多いとか、あるいはお兄ちゃんだから我慢するといった理論は子供には通用しません。同じ親から生まれた子どもとして同じように大切であることを、目に見えるところで示していくことが大切だと思います。


公平感は心理臨床の現場でもとても大事な倫理です。その一つに相談時間の厳守があります。約束の相談時間を必ず守ること、そのことが心理士とクライアントの関係を良好に保ち、先々の問題解決がスムーズに運ぶように思います。

2018年09月11日 15:35

私はあやまることができます。(キッズ20)

キッズ20あやまる

自分の過ちを認めることはとても難しいことです。日頃より感じるのは、子どもの場合、叱られないということがわかると、自分の過ちを認めることができるように思います。

「あやまる」ということは、自分の過失を認めるという行為です。過失ということは、うっかりやってしまったことであり、わざとではないということです。この点を押さえておくと、子どもの行為についてもやたらに叱ったり、怒ったりせずに、対応していくことが可能になるように思います。

 

子ども同士の喧嘩に仲裁に入り、「お互いにあやまりなさい。」などと言うことがあります。しかし子どもが自分の言い分を十分聞いてもらえたと思えるまでは、あやまれないことが多いでしょう。なにしろ相手が悪いと思って喧嘩しているわけなのですから、その気持ちを押し殺してまで道徳的な行動をするように言われても納得できません。少し手がかかるようですが、子ども双方の言い分を十分に聴いてあげることが大切となります。

このように考えると、このカードは、子どもが素直にあやまることができる環境を大人が整えておくということも重要なのだということに気づかされます。

2018年09月11日 15:35

私はすすんで行動します。(キッズ19)

キッズ19すすんで行動

自宅前の公道を早朝に掃除する様子を描きました。日本では自宅前の公道の掃除をする姿はよく見かけるように思います。個人のご家庭もそうですが、私の家の近所の幼稚園では朝早くから先生方が道路に出て掃除をされています。園庭の木から落ちた花びらや落ち葉を掃除しているのですが、そればかりではなく、「きれいに掃除をして気持ちよく園児を迎える」とか「日頃からお世話になっている近隣への感謝を込めて」といった気持ちが込められているのではないでしょうか。近隣住民としてもこのような様子を日頃より見かけていると、自然とその園に対する気持ちが肯定的になってくるのを感じます。

幼稚園ばかりでなくお店やオフィスでも朝の掃除は見受けられます。先日、東京のオフィス街でも毎朝スーツ姿の社員が公道を掃除しているというニュースを目にしました。また自主的に掃除を行うということは、地域の川や海岸のゴミ拾い、公園の掃除など様々なところで活動が展開されています。昨年も話題になりましたがサッカーの日本のサポータの方々が試合後のスタジアムのゴミ拾いを自主的に行っていることもありました。

きれいに掃除をしてみんなが気持ちよく過ごすということが、日本の文化の中に根付いているからこそ、自主的な行動として現れるのですね。

2018年09月11日 15:35

私は集中できます。(キッズ18)

キッズ18集中

子どもの相談の中で、「うちの子どもは集中しない。」という相談はたくさんあります。授業に集中しない、親の話を集中して聞かない、習い事の最中におしゃべりばかりして集中しないなど、大人の言い分は様々です。よく話を聴いてみると、そのような子どもでもゲームや漫画、遊びなどには集中できるようです。好きなことには集中できて、勉強や親の話など、残念ながら好きではないことには集中できないということなのでしょう。
 

それでは誰でも好きなことを絵にすれば、「集中」という概念が伝わるのではないかと考え、読書の様子としました。自分が子どもを育ててみて、また保育園の子どもや相談室の子どもの様子を見ていて気付いたことは、子どもはみんな本が好きということです。自分で読むことはもちろんですが、読み聞かせはさらに大好きです。

「「え~うちの子は違う」と思われる方もいるかもしれません。そのよう場合は子どものために選んでいる本と子どもの言語発達のレベルが一致しているかどうかをもう一度見直してみてはいかがでしょうか。


子どもの言葉の発達は個人差が大きく、生活年齢では5歳なのに、言葉の発達は少しゆっくりしていて、5歳相当とされている絵本を読んでも、実は内容が今一分からないという場合があります。このような時には少し対象年齢が低い子むけの本を読んであげると、とても喜んで飛びついてくるということがあります。子どもの言葉の発達は一段一段上っていく階段のようなものです。段飛ばしはできません。実際に理解できるレベルから読み聞かせてあげることで、一段、また一段と発達していき、だんだんと本が好きになっていきます。

私が教えている保育園児は、この絵を見せればすぐに集中という概念がわかるようです。年長にもなれば、少しずつですが字も読めるようになり、読書に集中できるようになっているようです。

2018年09月11日 15:35