オーストラリアのキッズカードでは、この「落ち着いている様子」の絵は、暴風で揺れるユウカリの木の上で、コアラがゆったりとくつろいでいる絵でした。日本版では、こどもが里山風景の中でお地蔵さんと一緒に座っている絵です。
この絵は、娘の保育園の活動からアイディアをいただきました。そこでは、元気で活発な子供たちに対して、静かに座ってお話を聴いてほしいときに、「はい、お地蔵さん!」と声をかけていました。このような指示に使われる掛け声としては、「おかべぺったん」「おくちチャック」「手はおひざ」など、いろいろ聞いたことはありますが、「え?お地蔵さんなんて、今の子供はわかるの?」と思ったのを覚えています。そこの子どもたちは、皆、慣れているようで、その声がかかると、胡坐を組み、目を閉じた座禅の姿勢になっていました。みごとにお地蔵さんになりきっている姿をみて、感動しました。
キッズカードの絵の中でも、この絵が一番最初に仕上がりましたが、日本にはお地蔵さんという文化があるという知識を、どれくらい子供たちにわかってもらえるかという点がとても心配でした。保育園の子どもたちに尋ねてみると、「お地蔵さんはトトロにでてくるよ」「妖怪ウオッチにもいるよ」との返答があり、安心したのを覚えています。
ところで、保育園の子供たちに、落ち着く方法というのを教えることがあります。深呼吸をしたり、数を数えたり、目をつぶったり、自分に言葉を言い聞かせたりするのですが、どんなに騒がしいクラスでも、皆が落ち着くと気持ちがいいですね。子供たちも、その気持ちよさを味わってくれるといいなと思います。
2015年09月30日 11:09